結婚式でゲストに渡される「引き出物」と「内祝い」は似ているようで異なります。今回は、それぞれの特徴、贈り方のマナー、そして一般的な金額相場について解説します。
●引き出物と内祝いの基本的な違い
引き出物と内祝いの主な違いは、贈るタイミングです。
- 引き出物:結婚式に出席してくれたゲストへの感謝の印として、式当日に渡します。
- 内祝い:式に出席できなかったが祝福をくれた方々へ、式後に送るお礼です。
具体的には、引き出物は式の参加者に対して、ご祝儀への感謝として当日にお渡しするもの。一方で、内祝いは結婚を祝ってくれた人々に対して、特に式に来られなかった方々に後日贈る形をとります。
伝統的には、内祝いは「幸せの分け前」として親戚や近所の人々に広く配る習慣でしたが、現代では受けた祝いへの返礼として用いられることが一般的です。内祝いの贈り物は、結婚式の1か月以内に配送されるよう調整するのが望ましいです。
結婚式の引き出物と内祝いの適切な贈り方
結婚式では、提供される料理や引き出物自体がすでにゲストへの感謝を示しているため、通常は内祝いを用意する必要はありません。ただし、ご祝儀に加えて別途贈り物を受け取った場合や、予想以上に高額なご祝儀をいただいた場合は、引き出物だけでなく内祝いの送付も考慮することが望ましいです。引き出物と内祝いを両方贈る場合、以下の点に注意しましょう。
- 引き出物と内祝いが重複しないようにする
- 内祝いの価値が引き出物を下回らないようにする
欠席した方へは通常、引き出物と同様の品を内祝いとして送ることが多いですが、両方を贈る際には異なる品を選ぶことが重要です。また、引き出物は食事代も含めたお礼となりますが、内祝いは通常、より高価な品が選ばれる傾向にあります。贈る品は、贈る相手から受けた祝福の額に見合うものを選びましょう。
引き出物の標準セットとその選び方
引き出物には「メインのアイテム(記念に残る品など)」「引き菓子」「もう一品(縁起物など)」の3点セットが基本です。一部の地域では5品セットや7品セットなど、より豪華なセットを用意することもあります。
最近では、ゲストの持ち帰りの負担を軽減するために品数を減らす動向も見られますが、これはまだ一般的ではないです。特に親族や上司へは、慣習に則って3点以上を用意することが推奨されます。
関係性や地域によっては2点セットでも十分な場合もありますが、価格差が少ない場合には3点セットのほうが豪華に見えるため、好まれます。セットの品数は、両家の親やウェディングプランナーと相談しながら決定し、品数を減らす場合でも総額は保持するようにします。
夫婦や家族単位での引き出物の設定方法
引き出物は基本的に1世帯に1セットが基本ですが、夫婦や家族が参列する場合は通常、単身者以上に高額なご祝儀が期待されるため、それに見合う引き出物を用意する必要があります。
夫婦が個別にご祝儀を提供するケースでは、それぞれに引き出物を用意することが必要になることがありますが、この判断は通常、式当日まで明らかにならないため、基本的には1世帯に1セットを用意します。個別のご祝儀が確認された場合には、後日内祝いとして適切に対応すると良いでしょう。
結婚式の引き出物の予算ガイドライン
結婚式の引き出物として一般的な3点セットについて、メインアイテムはご祝儀の約10%が相場です。追加のアイテムには引き菓子と小さな贈り物が含まれ、それぞれの適切な価格は1,000円から1,500円程度です。ご祝儀の金額を事前に予測し、それに見合う引き出物を選ぶことが大切です。
以下に、ご祝儀の金額とそれに対応する引き出物の予算の例を示します。
ご祝儀の額 | メインアイテム | 引き菓子 | 追加の小品 | 合計 |
30,000円 | 約3,000円 | 1,000~1,500円 | 1,000~1,500円 | 約5,000~6,000円 |
50,000円 | 約5,000円 | 1,000~1,500円 | 1,000~1,500円 | 約7,000~8,000円 |
人気の引き出物アイテム
結婚式で好まれる引き出物には、次のような種類があります
- 食品やお酒などの消耗品
- グラスや食器など実用性の高いアイテム
- 持ち運びやすい商品
- カタログギフト
最近では、ゲスト一人ひとりの好みや生活環境を考慮してアイテムを選ぶのが一般的です。商品の豪華さやブランドの知名度も重要ですが、ゲストの年齢や利用する交通手段も考慮すると良いでしょう。
忙しい時や何を選べば良いかわからない時には、ゲストが自分で選べるカタログギフトが便利です。特に食品や日用品を含むものや、華やかな包装がされたものが好まれます。
式場での引き出物持ち込みの際の注意点
引き出物は通常、式場と提携しているショップから選ぶことが多いですが、外部のショップで購入した商品を持ち込むこともできます。ただし、引き出物1セットにつき数百円の持ち込み料が発生する場合があるので注意が必要です。
ゲスト数が多いほど、この費用は増えます。一部のショップでは持ち込み料を負担してくれることもありますが、式場によっては持ち込みが禁止されている場合もあります。予算とゲストの満足を優先しつつ、式場のルールやショップの提供サービスを考慮して選びましょう。
引き出物選びはゲスト目線で
引き出物は、新郎新婦がゲストに対して送る最初の贈り物です。お祝いに駆けつけてくれたゲストが喜ぶようなアイテム選びとその配慮に、特に注意を払いましょう。