送別の贈り物の相場とマナー

マナー

送別の贈り物とは、転勤や退職、引越しや旅行など、別れの際に贈るプレゼントや金品のことです。どのようなアイテムを選び、いつ渡すべきか迷うことが多いと思います。

この記事では、送別の際の贈り物の選び方、金額の相場、そして渡し方のマナーについて詳しく解説します。

送別の贈り物とはなむけの違い

送別の贈り物は、しばしば「はなむけ」とも称されます。「はなむけ」は、直訳すると「馬の鼻向け」であり、馬の鼻を旅立ちの方向に向けて送り出す古い習慣から名付けられました。はなむけは、詩、金銭、贈り物全般を含む、出発する人へのプレゼントを意味します。

送別の贈り物を渡すタイミング

送別の贈り物は、通常、転勤や退職時に渡されます。最も適切なタイミングは、相手と最後に会う日です。複数回会うと感動が薄れることがあるため、さまざまなシチュエーションに応じた適切な渡し方を検討しましょう。

職場での渡し方

退職日に直接会う機会がある場合、その日に贈り物を渡しましょう。特に退職挨拶の前後が適切です。退職日は荷物が多くなるため、大きなものや重いものは避けた方が良いでしょう。大きなアイテムは持ち運びが容易なように手提げ袋を利用することを推奨します。

送別会での渡し方

送別会では、食事が落ち着いた後が渡すのに適切なタイミングです。お酒が進むと忘れがちになるので、遅くなりすぎないように注意しましょう。

郵送する場合

郵送を利用する場合、退職日から1〜2週間以内に送るのが一般的です。転居が伴う場合は、転居先の住所と日時を事前に確認し、迷惑にならないよう計画的に送りましょう。

個人的に渡す場合

特にお世話になった方へは個人的に贈ることもできますが、公の場で渡すと他の人を気まずくさせることがあるため注意が必要です。退職後に連絡を取り合うことができる場合は、落ち着いた後に会って渡すのが最適です。

送別金の一般的な金額

送別金を贈る際、通常は複数の人で集まって出資するのが一般的です。一人あたりの適正な金額はおおよそ1,000円から3,000円程度とされています。アルバイトやパートタイマーは、正社員に比べて少ない負担で調整することが推奨されます。

送別金に対するお礼は通常期待されませんので、贈る金額が高額になりすぎると相手に負担をかけることになるため、適度な額を心掛けましょう。特にお世話になった人でも、企業や団体から贈る公式の送別金は、相場を守ることが望ましいです。

送別に適したギフトと避けるべきギフト

送別では現金を贈ることが基本ですが、物品を贈ることも多くなっています。適切なギフトと避けたいアイテムを以下に紹介します。

送別におすすめのギフト

花束

花束は送別ギフトの定番です。特に、水やりが必要ないプリザーブドフラワーやハーバリウムは長持ちするため、お勧めです。

お酒やグラス

お酒を楽しむ人には、様々な種類のお酒が楽しめる飲み比べセットや、個性的なグラスが喜ばれます。名前やメッセージを刻んだカスタマイズギフトは、記念品としても特別な意味を持ちます。

お菓子の詰め合わせ

お菓子の詰め合わせは、多くの人に受け入れられやすく、贈る相手の年齢や好みに合わせて選ぶことが重要です。

実用的な日用品

日常生活で使えるマグカップやその他の実用品は、どんなシーンでも活用でき、新生活のスタートに役立ちます。

カタログギフト

現金だけでは物足りないが、具体的に何を贈ればよいか決めかねる場合は、カタログギフトが最適です。受取人が自分で好きな商品を選べるため、幅広い選択肢を提供できます。

送別の際に避けるべきギフト

送別の際には、不適切とされるプレゼントがいくつか存在します。一般的に避けた方が良いとされるアイテムを選ばないように注意しましょう。ただし、本人から具体的に希望がある場合はこの限りではありません。

現金

現金は送別ギフトとして一般的ですが、上司や目上の人への贈り物としては適さないとされることがあります。これは、現金が生活支援として受け取られることが多いためです。特に年配の方への贈り物としては避けるべきです。

下着類

下着や肌着はプライベートなアイテムであり、贈り物としては不適切です。これらは個人的な用品と捉えられるため、送別ギフトとしては適さないと考えられます。

文房具

文房具は学業や業務の励みとなるギフトとして贈られることがありますが、退職や引退の場には不適切とされることがあります。特に高価な筆記具はビジネスシーン向けのギフトとして一般的ですが、退職や引退を迎える方には適していない場合があります。

足元のアイテム

靴下やスリッパなど足元のアイテムは実用的ですが、文化によっては相手を見下すと解釈されることがあります。特に年配の方への贈り物としては避けることが推奨されます。

櫛は実用的で美しいアイテムですが、「苦」「死」といった縁起の悪い語句を連想させるため、一般的に贈り物としては適していません。

ハンカチ

ハンカチは便利なギフトですが、「手切れ」と解釈され、「縁を切る」という意味に繋がることがあります。特に白いハンカチは故人を想起させることがあるため、注意が必要です。

刃物

包丁やハサミなどの刃物は「縁を切る」という意味があり、一般的に贈り物としては適していません。ただし、新しい道を切り開くというポジティブな意味で贈ることもあります。

贈答品に添える「のし」の正しい書き方

送別の際に現金や品物を贈るとき、正しく「のし」を用いることがマナーです。現金を贈る場合には「ご祝儀袋」を使用し、品物には適切な「のし」を添えます。表書きは状況に応じて異なりますが、どのような退職理由にも適する一般的で無難な選択は「御礼」です。「御餞別」という表書きは、目上の方へは不適切とされることがあるため注意が必要です。

表書きと使用シーン

  • 御礼、おはなむけ: どんな退職事由にも適用可能
  • 御餞別: 目上の方には不適切
  • 御栄転御祝、祝 御栄転: 昇進時
  • 御退職御祝、祝 定年御退職: 定年退職時
  • 御祝: 定年退職や寿退社の場合

「のし」に用いる水引は一般的に「紅白の蝶結び」が使用されますが、寿退社と結婚祝いが重なる場合には「あわじ結び」または「結び切り」を選ぶことが適切です。水引の下部には贈り主の名前を記入します。

贈り物を部署やチーム単位で送る場合、「〇〇部一同」といった形で名前を表記し、複数人で連名する場合は上位者から右から左へ名前を並べます。全員の立場が等しい場合は五十音順が適切です。

連名での署名が多い場合、中央に代表者の名前を大きく記し、その左側に「他◯名」と追記します。また、誰が寄付したかが明確にわかるよう、全員の名前を書いた半紙を同封すると良いでしょう。

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