秋から冬にかけて気温が下がり、温かい食事や飲み物が恋しくなる時期がやってきます。
特に熱々の鍋やおでんは、身体だけでなく心まで温まる料理ですよね。
しかし、この季節は猫舌の人にとっては少し大変です。人によって感じ方に差はあるものの、熱いものが苦手で、冷ますために時間がかかることがあります。
熱いものを問題なく食べられる人は、「冷めてからだと美味しさが半減する」と感じることでしょう。
でも、苦手なものはどうしようもないのです。実は、私も猫舌がかなり強いんです。
そもそも、なぜ「猫舌」というのでしょうか?
猫は本当に猫舌なのでしょうか?
今回は猫舌に焦点を当て、
- 実際の猫も猫舌といえるのか
- 猫と人の猫舌は同じか
- 猫舌は治すことができるのか
これらについて掘り下げていきます。
なぜ猫は猫舌とされるのか
最近、猫の中には猫舌ではないとされる猫が増えています。
昔は猫も猫舌だった?
哺乳類は元々熱いものを避ける傾向にあります。
自然界では、熱々の食べ物に遭遇することは少ないですよね。
それは熱いものが食べられないというより、熱いものを食べる環境になかったと言えます。
そして、人間が進化する過程で火を使うようになり、食べ物を加熱して初めて熱いものを食べるようになりました。
猫舌と同じく、犬舌も存在した?
「猫舌」はどのような由来を持っているのでしょうか?
実は、「猫舌」という言葉は江戸時代から使われており、「犬舌」という表現も存在しました。
現代では家庭の一員として親しまれている犬も、江戸時代にはペットとして広く飼われることは少なく、多くは野良犬がそのまま人間の生活の周辺で過ごしていました。これにより、人々は犬に対して食べ残しを与えることが多く、大抵は冷めたものでした。
一方で、猫は人間との共生が一般的で、より頻繁に温かい食事を与えられる機会がありました。そのため、猫が熱い食べ物に敏感な様子を人々が目にすることが多く、猫舌という表現が広まりました。
「犬舌」という言葉は徐々に使用されなくなり、「猫舌」だけが残りました。これは、哺乳類全般が熱いものを苦手としており、特に日本では猫が身近な存在であったため、この表現が選ばれたのです。
また、「猫舌じゃない猫が増えている」という話題に戻ると、猫舌の特性を持つ猫も多いですが、私の周りには次のような猫がいます。
- 温かいミルクをそのまま飲むことができる
- 熱々の焼き魚を平気で食べる
これらの猫は、人間との接触によって熱いものに慣れ、その耐性がついたのかもしれません。
興味深いことに、「猫舌」というような表現は日本特有のもので、他の国では直接的な言葉で表現されることが多いです。
- 中国では「怕吃热食」(熱い食べ物を食べるのが苦手)
- アメリカでは直接的に「I can’t eat hot food」(熱いものが食べられない)
と言われることが一般的です。
猫と人の猫舌の違いについて
哺乳類は元々熱いものを避ける習性があるため、猫も人も基本的には猫舌です。しかし、人間が火を使って食事を調理する文化を持つようになり、熱いものを食べる習慣が生まれました。その結果、猫舌ではない人々も増えてきました。
一方で、猫は本来猫舌が多いですが、最近では人間の生活環境に慣れた猫たちの中には熱いものを平気で食べる猫も出現しています。
猫舌は克服可能か?
多くの人間は幼少期は猫舌ですが、成長するにつれて熱いものに慣れる人もいれば、猫舌のままの人もいます。この差はどこから来るのでしょうか?
猫舌になる理由
以前は、猫舌の人は根性が足りないなどと言われていましたが、最近の研究ではそうではないことが明らかになっています。
猫舌じゃない人の根性?
熱いものを得意とする人全員が特別な根性を持っているわけではありません。実際、熱い風呂が苦手な人もいれば、猫舌の人が熱い風呂に強い場合もあります。
猫舌は遺伝するの?
以前は猫舌が遺伝すると考えられていましたが、実際には遺伝よりも環境が大きく影響します。猫舌の親が冷めた食事を好むため、子供も熱いものを避ける習慣が身につき、結果的に猫舌となることが多いのです。
猫舌の人と猫舌でない人の違い
「猫舌の人」と「猫舌でない人」の違いは何でしょうか?意外にも、その答えは舌の使い方にあります。根性や遺伝ではなく、環境が大きく影響しています。
猫舌の人が熱いものを食べられない理由
実は、舌の先端は熱に非常に敏感で、中央部分は比較的熱を感じにくい構造になっています。猫舌の人は、この敏感な先端を使って熱いものを食べがちなため、猫舌としての特性が顕著に現れます。
一方で、猫舌でない人は、熱いものを食べる際に舌の先端を自然と避け、熱に強い部分を使って食べる技術を持っています。
この技術は、通常、成長過程で自然と学ぶものですが、熱いものをあまり食べない環境で育った人は、この技術を習得しないまま大人になることもあります。
猫舌の人が熱いものを食べる方法
猫舌は根性や遺伝の問題ではなく、単に熱いものを食べる際の舌の使い方をマスターしていないためです。では、猫舌を克服するにはどうすれば良いのでしょうか?
猫舌克服のコツ
- 熱いものを食べる時は、舌の先端が直接熱いものに触れないように、舌を少し丸めて食べ物を舌の中央に導くようにします。
- 熱いものを口にする際には、食べ物と一緒に空気を吸い込むようにして、熱が舌に伝わる前に冷まします。ただし、空気を吸い込む際は食べ物が気管に入らないよう注意が必要です。 ただし、舌の中央が熱を感じにくいからといって、熱いものでやけどをしないわけではありません。熱いものに慣れたからといって無理をすると、口内や食道に損傷を与える可能性がありますので、注意が必要です。
猫舌克服のまとめ
長年猫舌だった私も、上記の方法を使って猫舌を克服することができました。しかし、熱いものを食べ過ぎると食道癌のリスクが高まるなど、リスクも伴います。猫舌を克服した後も、適度に熱いものを楽しむように心掛けましょう。