子供たちが書道の授業から帰ると、服にインクのシミがついていることがよくあります。インクは時間が経つと落ちにくくなるため、迅速な処理が必要です。
この記事では、家にあるものを使ってインクの汚れを効果的に取り除く方法を紹介します。
インク汚れが落ちにくい理由
インクはカーボンブラック(炭素粒子)と、水に溶けやすくする合成樹脂で作られています。カーボンブラックは水や油に溶けにくい性質があり、乾くと剥がれにくくなるため、合成樹脂で粘度を高めて紙に固定されます。このため、インクが衣服の繊維に浸透すると、除去が難しくなります。
家庭で見つけられる7つのインク除去アイテム
インクのシミができたらすぐに対応することが大切です。次に、家庭によくあるアイテムを使ってインクを落とす方法を紹介します。
・炊きたてのご飯
・歯磨き粉
・ウタマロ石けん
・熱湯
・キッチン用洗剤
・オキシクリーン
・ハイター
炊きたてのご飯
炊きたてのご飯はデンプン質で洗浄力はありませんが、のりとして使われるほど粘着力があり、インクの粒子を吸着できます。正しい方法で処理を行うことで汚れを洗い流せます。
- 手順
- 炊いたご飯を取り、ペースト状にすりつぶします。
- すりつぶしたご飯に洗濯用洗剤を混ぜ、2:1の割合にします。
- インク汚れに水をかけて湿らせます。
- ご飯のペーストを直接汚れに塗りつけ、ヘラでこすります。
- 小さい歯ブラシで優しくこすり洗いし、汚れを落とします。
- 汚れが残っていれば、手順を繰り返します。
- 水でしっかりとすすぎます。
- 最後に通常通りに洗濯します。
歯磨き粉での汚れ落とし方
歯磨き粉は、墨汁のシミ除去に便利です。含まれる研磨成分によって汚れを効果的に削り取りますが、研磨成分が含まれていないタイプでは効果が得られないため注意が必要です。特に新しいシミには効果的です。
- 手順
- 歯ブラシを濡らし、歯磨き粉をつける。
- 汚れ部分を優しくブラッシングする。
- シミが頑固な場合は、歯磨き粉を直接塗り、しっかりとブラッシングする。
- シミが取れるまで繰り返す。
- 最後に通常の洗濯で仕上げる。
ウタマロ石けんの使用方法
ウタマロ石けんは、特に白い服のインク汚れに効果的な洗浄力を持っています。ただし、蛍光増白剤が含まれているため、色物には適していません。
- 手順
- 汚れた部分を湿らせる。
- ウタマロ石けんを塗り、内側から外側に向かってこする。
- 数分間放置した後、通常の洗濯を行う。
熱湯を使ったシミ抜き
新鮮な墨汁汚れには、熱湯が効果的です。ただし、素材を損なわないように注意が必要です。他の洗浄方法と組み合わせると、より効果が高まります。
- 手順
- ゴム手袋を着用する。
- 汚れに熱湯をかける。
- 優しくこすり洗いをする。
- 最後に通常の洗濯で終える。
台所洗剤による墨汁除去
台所洗剤は油性の汚れに対して強力な洗浄力を発揮し、墨汁汚れにも有効です。ただし、洗剤の濃度が高すぎると衣服を傷める可能性があるため、適切に希釈して使用することが大切です。
- 手順
- 洗剤を水で薄める。
- 薄めた洗剤をシミに直接塗り、固形石けんでこすり洗いする。
- 黒い泡が出るまで繰り返し洗い、すすぎを行う。
- 通常の洗濯で仕上げる。
オキシクリーンによる洗浄
オキシクリーンは酸素系漂白剤で、墨汁のような頑固な汚れに対して分解し、洗浄する力を持っています。色あせや素材へのダメージが少ないため、多くの衣類に安心して使用できます。
- 手順
- 温水にオキシクリーンを適量溶かす。
- 汚れた衣類を浸し、時々こすり洗いをする。
- 浸け置き後、手洗いでしっかりすすぐ。
ハイターによる墨汁除去
ハイターは塩素系漂白剤で、特に白い服の墨汁汚れに効果的です。肌への刺激があるため、使用時は手袋を着用し、安全に注意してください。
- 手順
- 汚れに直接ハイターを吹きかける。
- 時間を置いた後、熱い水でしっかりとすすぐ。
インク汚れへの対応策と予防方法
インクを使う活動は子どもたちの学びに欠かせないものですが、服につく汚れが問題となることもあります。ここでは、インク汚れを効率的に対処する方法を詳しく解説します。
ポリエステル素材の活用
書道の授業やその他のインクを多用する活動においては、ポリエステル製の衣服を選ぶと良いでしょう。
ポリエステルは吸水性が低いため、インクが繊維に染み込むのを防ぎやすく、汚れがついても洗濯で容易に落とすことができます。また、インクで汚れてもよい服を選ぶというのも一つの対策です。
洗濯で落ちるインクの選択
特に子どもが使う場合、洗いやすいタイプのインク(書道液)を選ぶことが有効です。これらのインクはぬるま湯での浸け置き洗いで簡単に落ちるため、手間を省くことができます。色の濃さが少し薄いかもしれませんが、練習用としては十分です。
専用洗剤の使用
インクのシミには、専用の洗剤がおすすめです。これらの洗剤はインク汚れを効果的に落とすことができるため、一般の洗濯では落ちにくい汚れにも対応可能です。家庭に一本あると、様々なシチュエーションで役立ちます。
クリーニング店の利用
洗濯だけでは落ちにくいインク汚れや、デリケートな素材の服にはクリーニング店を利用するのが最適です。プロの技術で服を痛めることなく、効率的に汚れを落とすことが可能です。ただし、インクの種類によってはクリーニングでも落ちにくい場合がありますので、事前に店舗に確認することが重要です。
まとめ
インク汚れは適切な対策を講じることで効果的に処理できます。大切な衣服を守るためにも、今回紹介した方法を積極的に活用しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。