キッチンのレンジフードは、料理に伴う蒸気や油で汚れが溜まりやすく、掃除が難しい場所とされています。この記事では、自分でレンジフードを効率的に掃除する手順と重要なポイントをご紹介します。
自宅で実践するレンジフード掃除の手順と注意点
レンジフードはキッチン内で最も掃除が大変な部分の一つです。料理時に生じる蒸気や臭いを室外に排出し、清潔なキッチン環境を保つためには不可欠ですが、その働きが原因で汚れがこびりつきやすくなっています。
大掃除などでレンジフードの清掃を後回しにしてしまいがちですが、汚れが完全に落ちないまま作業を終えることも多いですね。しかし、適切な手順を踏めばきちんと清掃することができます。
レンジフードに付く汚れの種類と原因
レンジフードにはどのような汚れが付着するのでしょうか?主に以下の二つのタイプがあります。
油汚れ
料理中に飛び散った油は、レンジフードのフィルターやファンに特に付着しやすく、これらの部分は掃除が困難です。油が冷えて固まると除去が一層困難になり、不快な臭いやバクテリアの温床となり、フィルターやファンの機能を低下させることがあります。
ほこり
加熱により生じた蒸気が冷えると油分と結合し、これにほこりが付着して蓄積します。このほこりは放置するとレンジフードの通気性を悪化させ、火災のリスクを高める可能性があります。
これらの油汚れとほこりが結びつくと、掃除の難易度がさらに上がります。時間が経つにつれて、これらの汚れが積み重なって厚く硬い層を形成し、通常の掃除方法では落としきれなくなるのです。
レンジフードの適切な清掃頻度
レンジフードを定期的に掃除しないと、汚れが積もり、機能不全を引き起こす可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスが必要です。推奨される清掃頻度は、本体カバーを週に一度、フィルターやファンなどの部品は月に一度です。
レンジフード清掃に必要なアイテム
レンジフードを清掃する際には、以下のアイテムを用意してください。
レンジフード清掃に必要な用具
- ゴム手袋:洗剤使用時の手肌保護のため。
- 大型ビニール袋:ファンの部品を浸けておく洗いに使用。
- 小型のメッシュバッグ:ネジや小さな部品を浸ける際に便利。
- 新聞紙やビニールシート:作業中のキッチン汚れ防止のために敷く。
- 洗浄用バケツやたらい:部品の浸漬に。
- スポンジ:固着汚れを落とす際に。
- 雑巾:洗剤を塗布し、レンジフードを拭く際に。
- 洗剤類:アルカリ性洗剤、中性洗剤、酵素系漂白剤を材質に応じて選択。
キッチンの換気設備のタイプ
キッチンの換気設備には「レンジフード」と「換気扇」の2種類があります。レンジフードは通常、外壁に面していない場所に設置され、シロッコファンと呼ばれる縦型のファンが特徴です。一方、外壁に設置される換気扇は、プロペラファンを使用し、その形状は一般的な扇風機の羽根に似ています。
シロッコファンの適切な取り外し方法
シロッコファンにはネジ式とワンタッチ式の二種類があります。ファンの型を確認した後、以下の手順で安全に取り外しましょう。
1. 電源を切る
電源プラグが見つからない場合は、家全体のブレーカーを下げて電源を完全に切断し、安全を確保します。
2. レンジフードの部品を取り外す
まず、レンジフードのカバーやフィルターを取り外します。整流板と呼ばれる薄い板が設置されている場合は、この段階で除去します。オイルパックが付いているモデルでは、オイル漏れに注意しながら水平に保って慎重に取り外してください。
3. ネジ式ファンのネジを外す
ファンの前部にある円形のパーツに固定されているネジを外します。取り外したネジは紛失しないように、目に見える場所に置いておきましょう。
4. ファンを取り外す
ネジ式の場合、中心にあるネジを反時計回りに回しながら、ファンを落とさないように支えて慎重に取り外します。ワンタッチ式の場合は、指定されたボタンを押すだけで簡単に取り外せます。
プロペラファンの取り外し方
プロペラファンの取り外し方法についても解説します。形状が複雑であるプロペラファンですが、以下の手順で簡単に取り外すことが可能です。
1. 電源を切る
安全を確保するため、プラグがある場合は抜き、なければブレーカーを落としてください。
2. フィルターとファンの取り外し
フィルターを先に取り外し、その後ファンの中央部分にある円形のキャップを、ファンが落下しないように支えつつ緩める方向に回して取り外します。取り外したフィルターやファンは、新聞紙やビニールシートの上に置くことで、周囲を汚さないようにします。
3. 残りの部品を取り外す
前方に引くと外れるパネルを取り外し、その下にある油が溜まるパーツもネジを外して取り除きます。油が入っている場合は、こぼれないように注意しながら水平に保ちながら取り外してください。
キッチンのレンジフード清掃手順
プロペラファンの取り外し方法が理解できたら、次にキッチンのレンジフード全体の掃除方法を学びましょう。
1. 洗浄液の準備
こびりついた油汚れは通常の擦り洗いでは除去できません。そのため、汚れを柔らかくするために浸け置き洗いが効果的です。大きめのビニール袋にぬるま湯と中性洗剤を入れて洗浄液を作りましょう。油汚れにはアルカリ性洗剤が特に効果的ですが、素材によっては使用できない場合があるため、使用前に確認が必要です。
2. パーツの取り外しと洗浄液での浸け置き
電源を切った後、ファンやフィルターなどのパーツを取り外し、作成した洗浄液に浸します。小さいネジなどは紛失を防ぐためにメッシュバッグに入れると便利です。
3. レンジフード本体の拭き掃除
レンジフードの内外をアルカリ性洗剤または中性洗剤を用いた水で丁寧に拭き取ります。洗剤が残らないよう、最後は水拭きで仕上げてください。
4. 浸け置きしたパーツの汚れ落とし
浸け置きしたパーツの汚れをスポンジでこすり落とし、十分に水で洗い流します。非常に頑固な汚れには、酵素系漂白剤を使用した浸け置きが効果的です。
5. パーツの再取り付け
全てのパーツが完全に乾燥したことを確認してから、元通りにレンジフードに取り付けて完了です。
セルフでのレンジフード清掃時の注意事項
自分でレンジフードを清掃する際は、安全に注意し、キッチンの他の家電製品や設備を保護するための措置も必要です。
清掃前の電源管理
レンジフードを清掃する際は、誤ってスイッチが入ると危険です。そのため、清掃前には必ず電源を切り、プラグを抜いてください。プラグがない場合はブレーカーを落としてください。
キッチン保護対策
掃除中にファンやその他のパーツが落下すると、キッチンのコンロや床が傷つく可能性があります。ビニールシートや新聞紙を使って清掃エリアの下を覆い、キッチンを保護しましょう。
適切な洗剤の選定
レンジフードの素材によっては、重曹やアルカリ性洗剤が使用できないこともあります。レンジフードを傷めないよう、素材を確認してから適切な洗剤を選んでください。
最後に
以上の手順を守れば、自宅でレンジフードを効果的に清掃することができます。このガイドを参考に、安全かつ効率的な清掃を実施してください。